今なぜ書写教育なのか?
文字教育はもちろんのこと、書写書道は、伝統的な日本の文化であり、精神のよりどころとして情操教育を担ってきました。国際化や情報教育も大切ですが、真の国際化は、「異文化の相互理解」です。自分の国の文字や言語、文化を粗末にしていいわけがありません。
中央教育審議会の答申でも国際社会に生きる日本人の自覚として心の教育、伝統文化教育の重視を強調しています。また児童生徒の問題行動や不登校の激増等が大きな社会問題になっておりますが、その背景に子供たちのマナーやモラルの低下、規範意識・忍耐力の欠如が指摘されています。
毛筆による書写教育は、道具に手間と費用がかかりますが、下記のような多くの教育内容・教科の特性を持っています。
- 正しい言語感覚・文字感覚
- 現代社会は若者を中心に文字の乱れ、言葉の乱れが著しい。子供の時から基礎基本をふまえた正しく美しい日本語、日本の文字を身につけさせたい。
- 新しい学力観
- 価値観が多様化し、個性が尊重される時代。自らを表現し、積極的に自分をアピールする主体性が求められている。
- ドリル(繰り返し)による耐性やスキルの向上
- 何事も易きに流れがちな昨今、1つのことを繰り返し練習することで、技能の修得と我慢強さを培いたい。
- 自ら学び、自ら考える、生きる力の育成
- 集団の中で個別の学習課題が設定でき、「よし、今度はここに気をつけて書いてみよう」と目標が立てられる。進歩した学習の成果がすぐに自分で確認でき、達成感や成就感を持つことができる。課題を見つけ、よりよい作品へと自己実現を目指すことで成長力、生活力を育成できる。
- 集中力・慎重さ・冷静な判断力
- 精神を集中することや心を落ち着けて筆を持ち、自己との対話ができる緊張のひとときを持つことができる。
- 情操の涵養、人間的包容力
- 芸術の基礎を学ぶことで日本の伝統的な文化に対する認識が深まり、書を愛好していく意欲や態度が育成される。生涯にわたって文化に触れる基礎的習慣が身に付き、教養が豊かで人間的な包容力が育成できる。
- 几帳面さ・整理整頓
- 道具の扱いや片づけ、手入れが厄介なだけ、ものの取り扱いが丁寧になり、手先の器用さも訓練される。